朱光はそのまま逃げるように去って行った。

追う間も無く、ただ呆然と朱光が走り去って行くのを見つめるばかり。

「…あ…。」

「…シリウス?」

ふとシリウスを見ると、大きな瞳から、大粒の涙を零し、机につっぷつしていた。