車内は微かなスカッシュの香りと煙草の匂い。
いつもは、高校生のアタシ達と同じ目線で話してるイッチーでも、運転してる姿を見るとやっぱり大人で…

……今更緊張が襲う。




イッチーの家は意外と公園から近くて5分も経たない内に着いた。
アパートの駐車場で停まった車。



「行こうか」



「…ね、ねぇ」



「ん?」




「迷惑じゃない?」




夜に電話した時点で迷惑だけど、まさか来てくれるとは思ってなかったし、ましてや家に来るなんて予想外で…かなりの迷惑女だと思って呟いた言葉に




「全然」



笑顔で返されて、一先ず安心した。