「ユズカ」



この低い声に呼ばれた時。全てを悟る…やる事は決まってる。これは当たり前の事。この事を受け入れなければアタシは生きていけない。




「…うん」




アタシはポツリとそう吐き捨ていつもの部屋に移動する。そんなアタシを見ながら気持ち悪い眼で…やらしい眼で見てるこの男。




「いいよ。お父さん」



古いアパートの中。染みだらけの天井を見上げながら、これから始まる行為を受け入れる態勢。すなわち仰向けになり、吐き出した言葉と同時に眼を潤す液体。




覆い被さって荒い息を吐き出すこの男は、正真正銘アタシの実父。