クラスメイトのまだ話しかけやすい女子に天ヶ瀬さんの事を聞いてみる。

「ねえ、天ヶ瀬さんについてちょっと聞きたいんだけどいいかな?」

少し不審なものを見る目に傷つくが耐える。

「え~っと…、あの、彼女が絵を描かなくなったって友達から聞いたから、その、心配になって…」

下手なごまかし方だが僕の精一杯だ。

「ん~…ちょっと私は分かんないなあ。でも孝一君が人の事気にかけるって珍しいね」