―…ピピッ ピピッ ピピッ



携帯のアラームが鳴り響く。



「そろそろ帰らなくちゃ」


彰弥はそう言って隣に寝ている私を抱きしめた。



彼を帰したくなくて、抱きしめかえす手に力が入る。



「またすぐに会えるよ」



彰弥は私の気持ちに気付いたのかそう言った。



体を起こし時計を見ると夜中の2時。



彼はいつもこの時間に私とお別れする。



1時間かけて自分の家に帰るんだ。



明日は日曜日。



彼の仕事は休みにもかかわらず、泊まる事なく家に帰っていく。



なぜなら彼には家庭があるから…