「失礼します」

ノックと共に入って来たのは
第一学年主任の相川幸江。


「理事長、
英樹華弥さんの寮の事ですが」

相川はそう言った後に華弥に気付く。


「学年主任の相川です」

そう言い会釈する。

相川は華弥の部屋を
寮の中で一番広い
特別室で良いのか聞きに来たのだ。

『皆と同じが良い』

華弥はそう言いながら
部屋を勝手に物色する。

「ですが」

困る相川の側に寄り
華弥は手を合わせて頼む。

「華弥さんが
そう言うなら構いません」