「これをばらまかれたらどうなるか、ってことぐらいわかるでしょ?」
「…………」
どうなるかわかるからこそ、千穂の言葉に、俺は何も言えなくなる。
「もしこれをばらまいたら、竜人の人気はがた落ち。ビッグファクトは仕事が減るし、スタカンは大変だろうね」
それだけじゃないよ、と呟いて言葉を続ける。
「青谷さんの顔もバッチリ写ってるし、すぐにバレちゃって、周りに疎まれ妬まれて、孤立どころか学校にさえ行けなくなるんじゃない?」
「…………」
千穂の言葉に、俺は言い返せないまま。
――わかってる。
そんなこと千穂に言われなくてもわかってるんだ。