「……ばらすよ」



ポツリともらした千穂の声に、俺は手を止めた。



「………何を?」




わかっているけど敢えて聞いてみる。



ただ、その事実を認めたくなくて。




「だから、さっきの写真ばらまいちゃうよ、って」




含み笑いをしながら、千穂は楽しそうにそう告げる。








―迂闊だったと今さら思う。



絶対バレないと思ってたけど、まさか知り合いと会うなんて。



今さらだけど悔やむ。





「………何が目的?……金?」



ドアのほうを向いたままそう尋ねると、




「そんなんじゃないわ。ただ……」