愛花のそんな表情に、俺は息が詰まる。





……そんな辛そうな顔して無理して笑わないでほしい。



しかも、その原因が俺だということに無性に腹が立った。





……本当は離れたくない。

このまま家で2人でテレビでも見れたら良かったのになぁ、なんてことを思う。



愛花に申し訳ない気持ちでいっぱいになって、




忘れ物、と呟きながら軽く愛花の口にキスを落とした。



「もうッ!」


突然だったから驚いたのか、愛花は顔を真っ赤にしながら、照れ隠しに俺の胸を叩いた。



「んじゃあな」


いろんな気持ちを振り切るように、かるく手を上げて俺は走りだした。