そこはこれまで人類が無理だと思っていたところ。

だが、これまで無理だと思っていた分、そこの土地は汚れを知らす品質改良すればまだそこで食物が育つという結果が出た。

人類は二手に別れた。

宇宙へ旅立つ者と地球に残る者と。

このようにして私たちが今住んでいる都市ができた。

海底に都市を作った年から年号を改め"東歴"となった。

今では品質改良が進み水の中で色々な作物が育てられている』


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「教科書と同じ感じだな」

読み終えたディールはため息混じりに言った。

「教科書と違っていたらそれはそれで問題だと思うわよ」

「だよな」

ディールとセラはとても静かなコウを不思議に思った。

いつもはもっと騒いだりする問題児なのに今日は不気味なほど静かだ。

静かに画面を凝視している。

その姿はいつものコウではなくて別人のように見える。