外の世界はすごく眩しくて、思ったより暑くて、空気が美味しく感じられて、視界が広がった。

「嘘だろ……」

資料の中で知る"地上"とは全然感じが違った。

もっとこう、空気が汚れていて汚い感じかと思っていた。

でも目の前に広がっているのはそれと全く逆だった。

しばらくの間誰も喋ることは出来なかった。

それを最初に破ったのはここへ連れてきた本人だった。

「な?すごいところだろ?」

初めて見る太陽の光に輝いてコウの赤い髪が眩しく光る。

「そうね、もっと空気が汚いところかと思ってた」

「俺も、これとは逆のこと想像してた」

その後もまた誰も喋らなくなった。

目に映るものが全て新鮮で、瞬きするのももったいないと思った。

空を流れる雲。

空を飛ぶ鳥たち。