大きな箱の中に人が乗って運ばれる仕組みだということは数日後に資料で調べてわかった。

「モノは試しって言うだろ!」

もうかなり前のもので動くかもわからないものに乗るのはごめんだと思ったが半強制的にコウに無理やり乗せられた。

何の躊躇もなしにコウはボタンを押した。

するとガコン、と一回大きく揺れ、動き出した。

滑らかとは言い難いがそんなに揺れはひどくなく3人を運んで行く。

不思議の感じがする乗り物だとディールは思った。

多分上に上がってるんだろうけどそんな感じは少しもなかった。

たまに揺れるくらい。

これで地上に出られるんだろうか?

いっそのことこれは壊れていてもう地上に出る手段なんてないって再確認するくらいでいい。

うん、それがいい。

それならコウも諦めてくれるだろうし、もうこんなことしなくてよくなる。

――――チン

ディールの願いも虚しく、奇妙な音とともに目の前の扉が開いた。

「うわぁ……」

コウとセラの声が重なった。