ルンルンと鼻歌混じりに赤い髪がふわふわと揺れている。

誰もが見てわかる、彼が上機嫌だってことが。

こんなに上機嫌な彼はめったに見ない。

理由はもちろん――――心当たりがある。

それが分かってしまったからなをいっそう諦めが付かないのかもしれないとセラは彼を見て考えさせられる。

それを考えていたのは彼女だけではなくディールもだった。

2人して目線を合わせ、合図なしにため息をつく。

そんな2人が視界に入っていないのか机に座った赤い髪がいまだにふわふわ揺れている。

「俺いいこと思いついたんだ」

やっぱり――――2人は声に出さず心の中でつぶやいた。

「昔の人らが使ってた地上を繋ぐもので俺らも行けばいいんだよ!」

自信満々に言う赤い髪は今なおゆらゆら揺れている。


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コウの提案は理に叶っている。

が、それがどんなものでどこにあるのかと聞くと首を横に振るばかり。

よくこれで地上へ出ようなんて言ったものだと半分呆れた。