その春樹の話とは・・・・


「今朝、春樹君のお母さんから学校に連絡があった。その連絡の内容は春樹君の病気の事だった。」馬渕が話し始めた。
「それってもしかして・・・・」明日香は全てを悟った。
「そうだ。春樹君は、小学校3年生の頃、肺がんになった。でも、回復力は異常に早く、すぐに完治し、退院した。それからは、今までの様な元気な生活の日々を送っていた。しかし、その肺がんは春休みの途中に再発してしまった。医者から宣告された時は言葉もでなかったそうだ。今は病院に入院しているそうだ。病状は前になった時より重いそうだ・・・。悲しい出来事だが受け止めなければならない事でもある。皆も春樹君の所にお見舞いに行ってくれ。」
私は皆の顔を見回した。皆枯れた花の様な顔をしている。春樹と仲の良かった人は泣いている。私も今にでも泣きそうだ。でもなぜか、涙が出ない。なぜだろう??私も皆と一緒の気持ちなはずなのに・・・。なんでなの??どうしてなの??この疑問が頭を駆け巡る。春樹、ごめんね・・・