学校に着いて1番に目に留まったのがクラス分けされた名簿だ。私は、茜と同じクラスで1年B組だ。その他に小学校からの幼なじみの亜矢、美智、明日香、孝太郎、春樹と一緒だった。とても嬉しかった。でもB組で1番皆の目を向かせたのは、聖夜(のえる)だ。聖夜は、転入生だがとても頭が良いらしい。さらにものすごくカッコいいのだ。今まで私の前にはこんな人は現れなかった。だからとてもびっくりし同時に、嬉しくなった。私は聖夜に一目惚れをした。
校舎に入るととても新鮮な感じだった。新しい校舎、新しいクラス、新しい先生、何もかもが新しい物だらけだった。教室に入ると、亜矢、美智、明日香、孝太郎がすでに来ていた。皆始めての制服姿なので変な感じがするけど、なんとなくワクワク気分にもなった。
「おはよう!春休み楽しかったね~」亜矢が言った。
「そうだね~!!遊びまくったもんね!!」私は皆の顔を見ながら言った。
「奈月、春休み勉強した??」この声は、美智だ。
「いや、ぜんぜん・・・・皆はしたの??」
「えっ!!してないの!やばいよ!!明後日テストだよ!」明日香が言った。皆、勉強やったよ!という様な顔をしている。やばいな・・勉強ちょっとはしとけば良かったな・・・・。どうしよう!!誰か助けてー!!。私はこう心の中で叫んだ。
「あれっ??そういえば、春樹は??」茜がポツリと言った。
「孝太郎は春樹と一緒に来てるでしょ??知らないの?」私は心配になって言った。
「俺知らないよ。今日遅刻しそうで走ってきたから・・」孝太郎も心配な顔をしている。その場が、しんとなった。
その時、教務主任の矢場という人が教室に入ってきた。
「新入生の皆さん、お早うございます。今から入学式がある体育館に移動しますので、廊下に並んで下さい。」矢場が言った。
体育館に入ると、2年生と3年生がいた。中には小学校の時の友達もいた。でも今日からはその友達のことを先輩と呼ばなければいけない。中学校は小学校からかなり変わるのでとても大変だなぁ~と思った。入学式は校長の話が長くて椅子に座っているのもきつくなった程だった。担任の紹介で1年B組の担任は、馬渕豊という定年まぎわのおじさん教師だった。私はもっと若くて女の先生が良かったなぁ~と思った。でも充実した中学校生活が送れたらいいなと思った。そうこうしているうちに入学式は終わった。