「卓ちゃん、ごめん…」







「ほら、乗れよ。行くぞ!」







「みぃ。委員会お疲れ」







「ありがと、卓ちゃん」







彼は車を走らせて
ゆっくりと話し始めた







「俺さ……転勤するんだ」







「え?!いつ??」







「来月から…福岡に。10年は戻らない」







来月って………
今月、あと1週間ないのに…
私…まだ何も言えてないままなのに







「卓ちゃん…私……」







「和也を頼むね」







それだけ言うと彼は黙った
私が話しかけても答えてくれなかった