内心、こんな突っ込みが自分に出来たのかと驚きながら、煮付けを頬張った。

いや、本当に味が染みてて美味しい。
ちゃんと生姜とかを加えて臭みを消してるし、隠し包丁もしてある。
んー、確かにお嫁さんに貰いたいな。

「ま、今の状態でもお嫁さんと変わりないだろう?」

「えっ、そんなぁ~、紗都樹ちゃんったら~。照れるでしょ~?」

どうやら、奏子にはそっちの気がありそうだ。

「あ、紗都樹ちゃん、明日取材でしょ?あの、モデル兼女優のナナオ・ユリに!」

「遊李七緒…そうだったな」

「ナナオ・ユリのファッション記事書くんでしょ?すごいなあ」

遊李七緒。僅か十一歳と二ヶ月で人気ファッション雑誌、『シスター☆プリンセスs』の読者モデルから一気にトップモデルにまで駆け上がった、まさに芸能界のシンデレラである。