記事にする質問をいくつかし、取材は終了するころには、パフェの入っていた器は空になっていた。
「ん~、美味しかった。じゃあ、そろそろいいかしら」
テッカンさんがハンカチで口の周りを拭きながら言った、
僕は荷物をまとめて幸子と共に席を立ち、頭を下げた。
「お忙しい中、ありがとうございました。こちらのお代は、わたくしどもが持たせていただきます」
「そ。わかったわ。それじゃ、七緒ちゃん、いきましょ」
テッカンさんが立ち上がった。
遊季七緒もそれに続く。
サングラスをかけながら、遊季七緒が僕の横を通った。
「……また会いましょ」
そう、言われた気がした。
僕は肩越しに遊季七緒の背中をみた。
彼女は、テッカンさんを押し退けて外へ出ていった。
僕はそれを見届けると、テーブルの上の伝票をとって、レジへ向かった。