どんなに味がしなくても、体は栄養を欲していた。

ものの数分で、お粥はお腹の中に収まってしまった。


シメに薬を飲めば、明日には元気になっているだろう。




『お姉ちゃんはどんな嘘を付かれたの?』


空の土鍋を持って部屋を出ていこうとしたお姉ちゃんに、再び問いかけた。



「内緒。」



顔だけ振り返り、ニコッと笑うと、そのまま部屋を出て行った。


こぉなると、私が聞いてももぉ答えてくれないだろう。


いつも、肝心な所は教えてくれないんだ。



数学の計算も過程だけで、答えは絶対に。





食欲の満たされた体は、次に薬による睡眠欲を満たそうとしてくる。


宙良クンのことを考えようとしても、頭が動く様子はない。




今日は寝よう…



明日には、きっとどうにかなるよね?










宙良クンは、嘘に何か理由があったのかな?






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