「でもね…」
と、先輩が真剣な目つきに変わった。
「本当、今のまま練習させるわけにはいかないから。
お節介だと思うけど、ちゃんとケジメつけるべきだと思う。
でも、例えどちらに転んだとしても、これ以上はプレーに影響させないように!」
"それが難しいんだけどね"と、苦笑いで付け足した。
『先輩も…
プレーに出ちゃうんですか?』
何となく、言い方が気になった。
普段の静先輩は"ザ・部活一筋"で、何をしててもテニスのことしか考えてない。
廊下で会っても部活の話だし、浮いた話も聞いたことがない。
"今はテニスが彼だよ"が、先輩の口癖になっている。
そんな先輩も?
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