部活の汗を流すため、シャワーを浴びながら昨日のことを思い返した。
今朝からずっとそう。
ふと気を緩めると、和也クンのことを考えてしまう。
結局、昨日の"あのさ"の続きは聞けなかった。
深刻な面持ちのまま、和也クンは去っていった。
気になる…けれど、聞きたくない。
恋する乙女は複雑なんだね?
クスリと笑った声が、お風呂場に響いた。
そぉ言えば、昨日のデートは私の試合のお祝いと、勉強を教えてくれた和也クンへのお礼が兼ねられていたはず。
なのに、映画も、お昼ご飯も、和也クンのおごり。
私は全然お礼出来ていない。
何かしてあげたいな?
でも、和也クンに喜んでもらえることが思い付かない。
頭も悪いし、お金もないし、取り柄と言ったら、スポーツ?
それか……
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