家の前で何とかお礼だけ言う。
まだ一緒にいたいけれど、折角送ってくれたのにわがまま言えない。
『じゃ、また月曜にね!』
顔を見ずにさよならを言うと、背を向けて門のドアに手をかけた。
何も言ってくれない、和也クンが怖い。
ドアの持ち手を下げ、それを押そうとした時、腕に力が加わり、後ろに振り向かされた。
『えっ??』
「あのさ…」
あまりに急なことで、真正面から和也クンと向き合ってしまった。
真っ直ぐな視線に、目をそらすことができない。
――ドクンッ
嫌な予感がする。
あくまで"予感"であり、根拠はない。
でも、ドクドクと血が騒いでいる。
『な…に……?』
「あのさ……」
*