和也クンはと言うと、まっすぐ一点を見つめ、薄くて綺麗な唇を閉ざしている。
和也クンと一緒にいると、沈黙までもが心地良い空間へと変わってしまう。
普通の友達だったら"何か話さなきゃ"と慌てているはずなのに。
だから、一緒にいると無言になってしまう。
つまらない奴って思われてたらやだな。
好きな人相手となると、こんなにも不安定になるものなのか…
『あの……ね?』
"好きになっちゃったみたい"
言ってしまったら楽なのかな?
「ん?」
首を傾げて私を見る和也クンに、何も言えなくなる。
『今日はありがとう。』
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