着いたのは、お洒落なレストラン。
高校生の私が入るには、少し戸惑ってしまうような…高そうなお店。
お金、足りないとかないよね?!
頭の中で財布の中身を思い出す。
先週勢いで買ってしまった漫画、買わなきゃ良かった…
『あの、私…』
"お金そんな持ってないよ"
ズンズンと中へ進んでいってしまう和也クンに伝えようとする。
そんな私の気持ちにも気付かず、店員さんと軽く話した後、私に手招きして中へ入って行った。
窓際のテーブルで椅子をひいて待っていてくれる和也クン。
『ありがとう…』
されたことのない行為に、胸がドキッと鳴る。
って!!
そうじゃなくて!
『あのね…』
「失礼します。
お決まりですか?」
タイミングよく店員さんが現れた。
「ランチコースで。」
メニューも見ずに答える和也クンは、店員さんと知り合いのようで、目配せして店員さんは戻っていった。
『ねぇ…』
*