聞きたいことは何一つ聞けてないし、言いたくもないことを言ってしまうし、かっこ悪すぎて泣けてくる。
そんな自分が嫌になって、ソファーから立ち上がった。
もぉここにいたくない。
「待てって!
何か勘違いしてる…
聞いて欲しいんだ。」
ドアに歩きかけた私の体が、元いた場所に戻される。
そして、向かい合った私の好きな人。
期待したってしょうがないのに、苦しそうな顔を見ると思ってしまう。
宙良クンは、嘘を付いたこと、後悔してるんじゃないの?
謝りたいんじゃないの?
そんなのは、私の勝手な願望なんだ。
そぉだったらぃぃのに……
宙良クンは言葉を選びながら、ゆっくりと話し始めた。
「あいつは…全然違う。
ただのクラスメート。
それで、あーーー
……ゴメン…」
座ったまま、膝に頭が付きそうなくらい頭を下げられた。
「名前は、ちゃんと言おうと思ってて……
いつも言おうと思ってたのに、マジでごめん。」
『…で?』
「え?」
聞きたいのは、謝罪の言葉じゃないんだ。
『何で嘘付いたの?』
*