その時飲んでいたコーヒーの味はあまり覚えていない。 彼女との会話が、……少し、楽しかったから。 なんて僕らしくないと思ったが、楽しいと感じてしまったのだから仕方がない。逃れようがない。 誰かとの会話で、笑ったのなんて今まであっただろうか? まるで僕ではないような気がした。 頬が時々痛んで、我に返る時もあったが、すぐに彼女との言葉の交わし合いに戻る。