普通の、女だった。

こんな女が何故、出逢った時、あんな顔と行動を取ったのか?無知な僕には解らない。知る必要もないと思っていた。

……思っていた、筈だった。

それなのに、今になって、どうしようもなく気になっている。

何故だ?

あんなに、嫌悪感ばかりだったのに。
今彼女の、『普通の?』顔を見ただけなのに。

「あの……。」
「ああ、すいませんね。」

ぼーっとして思考を巡らせていた僕は、少し慌てて彼女がいるベンチに座った。
……前のように、離れてではなく。

「御飯……食べませんか。」
「はあ。」
「これだけが御礼、ってわけじゃないんですけど……。」
「おかまいなく……。」


……意外と会話が出来て驚いた。