女が突如として立ち上がり、ベンチから離れた。よかった。やっとどこかへ行くのか……と安心したが、すぐに戻ってくる。手には缶コーヒー。なんだ、飲み物を買ってきただけか……。
顔には表さないが、僕は落胆する。
だが女はすぐにコーヒーを飲もうともせず、ただ持っているだけ。
横目で、こんなに女を観察してる僕もアレだが……明らかに女はおかしい。手も震えている?なんだ?
文庫本の次のページもめくらず、僕は固まっていた。見知らぬ女に対する不信感。
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