本を読む僕とは反対に、女は何をするわけでもなく、顔を地面へ向けている。気味が悪い。 関わらないようにしておこうと、僕は文庫本に熱中した。 ……学校に行っていない事はいずれバレるだろう。いや、もうバレているのかもしれない。 だが僕はもう、価値を見いだせない場所へ行こうとは思えない。何を言われようと。 もやもやする気持ちを吹き飛ばす方法も見つけられないまま、僕の時間は過ぎてゆく。