あれから…


翔太は「じゃあ」とだけ言って帰ってった。

後ろを一切振り向かずに

その姿は今まで見た中でよりたくましく見えた…


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早紀は翔太との今までの思い出を振り返りつつ家に帰った。

翔太といろいろあって苦しかった心が今は…すっきりしている。


(いい思い出になれるかな…?)


家の前に着くとレンが立っていた。


「レン…?」


早紀の声に振り向いたレンが声をかけた。


「あっ!早紀っ!よかった。早紀が遅いから心配しましたよ。」


「…え…?」


レンはレンで早紀と翔太の事が心配だったのだ。


話し合いしてくると言い出て行った、早紀の帰りが遅かったから…。


「レンずっとこけで私を待ってたの…?」

思わず投げかけた早紀の言葉にレンは微笑んで

「ずっとってわけじゃありませんけど…日が暮れてからも帰って来ない早紀が心配だったんで…」


「レン…」


自分の事を心配してくれた事に対してのレンの気持ちが今の紀の心に暖かく伝わった。


レンの優しい笑みに涙が溢れた。


頬をつ―っと流れた。