短い時間なのに何だかとても長く感じた…。


翔太の腕の温もりが消えると同時に見つめあう2人…。


「ねぇ翔太…どうして私達こんなにも遠くなっちゃったんだろう…?」


わかってる…。
もう戻れないって。

だけど何故だろう…


目の前に居る早紀をもう一度抱き締めたくなった…。
目の前にいる少女を…
早紀の溢れ出る涙を…。




泣きながら言う早紀に早紀の涙を拭おうとした手が止まる…。
思わず伸ばした手が行き場をなくす…



―ダメだ…できない!―


行き場を失った手に力が入った。


「早紀…俺たち恋人じゃなくなっても…友達だからな…」


今の早紀の涙を拭っては、やれないけど…


(また友達には戻れるよな…)


「…翔太っ!…ック…うん……。」



2人の思い出の場所は…


とても綺麗な夕日が一段と綺麗に輝いていた。