そそくさと帰ろうとするあたしとレンの方向に振られた男がこっちに向かって歩いてくる。


(わっ！ヤバいよっ！ってかなんか気まづいよねっ！)


そう焦るあたしだったけどだんだん近づいてくる男に身に覚えが……。


「……えっ……。」

そんなあたしをレンは、


「早紀？どうしたんですか？」


聞いてくるレンの言葉にも反応できなくてあたしは動きが固まってしまった。


目の前に近づいてくる男に目は見開き、


「……しょう…た…。」


完全に早紀の動きは止まった。

止まったというよりは動けなかった。

目の前にいる人物に動きを奪われて…

「ん？早紀じゃねぇか」


さっきまでは遠くにいたからわからなかったけど
今ならはっきりとその人物をとらえている…。


「早紀…？もしかして知り合いです…か？」


レンはレンでいきなり目の前の人物が現れた事で早紀が止まっている事で何かを察した。


そんなレンと早紀に男は


「なんだ早紀この男お前の男か？」


そう聞いてくる男に早紀は何も言えないでいた…