――暑い暑い夏の日――
「よし、明日から夏休みだ。だらけるんじゃないぞ。」
「は~い!」
「んじゃこれで終わりだ。体に気をつけろよ。」
んあぁッ!やっと終わった。
私は急いでバックを持って教室を出ようとした…。
「あっ!ちょっと早紀!待って」
友達の美沙があたしを引き止めた。
「んもう何??あたし忙しいの~」
「って合コンどうするの?!今日だよ。」
――――あぁっ!!――
確かそんな事、前に言ってたっけ。
「あぁゴメン!!今日どうしても大事な用事があるのッ!」
うっかり忘れてた。バカだあたし。
「本当にゴメン!!今度ちゃんと埋め合わせするから見逃して~」
「…って!ちょっとぉ…!!」
あたしゎ美沙の話を最後まで聞かずに教室を飛び出した。
―だって今日は大事な日なんだもん。―
大事な大事な。
あたしの大好きなお姉ちゃんが帰ってくる日…
お姉ちゃんはパリで仕事をしてるの。
忙しいお姉ちゃんはなかなか日本に帰ってこれなくてあたしと会うのは1年振りくらい…。
…幼い時に両親を亡くしたあたしたちにとって私とお姉ちゃんはたった一人の家族だから。