〜聖Side〜



おれは部活終了後、
一人で投げ込みをしていた。



一球一球にやり場のない怒りを
ぶつけながらだったので
加減などはしてられなかった。










――野球をしているときは
なにもかも忘れられる。


今まではそうだった。



なのに、今のおれの頭の中には
あいつの泣き顔と
あいつの言葉………








『聖は何にも分かってない』







ほんと分からない………




何を………?






おれは何を分かってないんだ…?