〜聖Side〜




「何なんだよ………」





おれは後ろ姿の神谷に言った。


だが、神谷は無視して
すたすたと歩いていた。






――ムカつく………

最近、ずっとあんな感じだ。






………おれが悪いのか?








おれは分からないことに苛立ち、
いてもたってもいられず
神谷に叫んだ。






「何なんだよ!!?

おれが何をした!!?


わけわかんねぇよ!!!!」





おれがそう言うと
神谷は振り返った。



その時の神谷の瞳は
寂しそうな感じで、


それだけでおれは罪悪感に
苛まれた。






「あんたみたいなやつには………




一生かかったって………





分かるはずがない。





聖は………





何にも分かってない」







そう言うと、神谷は再び
歩き出した。


その姿を黙って見るしかない
自分がどうしようもなく
ムカついた。














――分かってない………?

何をだよ………?