パチンッ!!




――あっ………

た、叩いちゃったよ………




………いや、あいつが悪い!!!

聖があんなこと言うからだ!!!





「いてぇ………


おれを叩くなんて
いい度胸してるな、神谷?」





「あんたが悪いんでしょ!!!
この最低男!!!」






私は怒りのままに言った。

私は今まで人を叩くなんて
したことなかったから………

少し後悔はあったけど、

この男なら構わないと思った。






「おれが悪い?

お前はそのくらいのことで
怒るのか?

ずいぶんと短気だこと………」






「あ、あんたねぇ………

もう少し優しくしようとか
思わないわけ?」





すると聖はやれやれと言いながらため息をついた。





「あいにく………


そのような感情は持ち合わせていないんでね」






――うわ、最悪だ………



完璧に完全に最悪で最低だ………





「この性悪!!!
一生そうしてろ!!!」






私はそう言い残して
その場を去った。