すると…突然、俊は私の腕を
離した。


私は突然体が自由になったことで
ふらふらとよろめく。


そして、体勢を直し、俊を見た。




俊は唇を噛むようにして
俯いている…





「なんやそれ………


何で泣くん?



そんなにそいつに会いたいんか………?」





俊の問いに、私はゆっくりと
頷いた。


俊の表情はますます曇る。




「こんな大雪の中で待ってるわけないやろ…?



行かんでええやん………」




俊のその言葉を聞き、
私は思わず叫んでしまった。





「待ってる………



あいつは絶対待ってるもん!!」





私はぼろぼろと涙を流しながら
俊を見つめた。