「ちょっと…行くとこあって…」





「行くとこ?


………外、大雪やで?」





俊はうたぐり深い目で
私を見てきた。


そんな俊を振り払うかのように
私は階段に足を進める。





ガシッ!!






しかし、俊は私の腕を掴み、
それを阻んだ。






「昔からおまえ、わかりやすいねん………


頼むから行かんといてくれ…」





俊は苦い表情を浮かべながら
私を見つめてきた。


それでも私は歩みを進めようとし、俊の腕を掴んだ。




「離して………



私、行かなきゃ………」





「絶対離さん。


さっきそう言ったやろ?」





「お願いだから………」






私は必死に懇願した。


しだいに私の目には涙がたまっていく………