「あっ、私は神谷皐月です。

で、この子は……って……冥?」




冥は一直線に誰かを見ていた。


視線の先には………




………蓮君がいた。




冥は頬を染め、少しうつむきながら、蓮君をちらちらと見ていた。



ああ、なるほど。



と、私はひとりで納得した。




「あの…私………その………


雛乃…冥………です………」




――………ごめん、見てられない

全身で一目惚れしましたって言っているようなものだよ………




「よろしくね、冥ちゃん」



蓮君は優しく手を差し出した。




蓮君は聖君と同じくらい整った顔立ちで、冥の一目惚れも無理はないと思った。