「あっ、お兄ちゃん!!!
イルカだよイルカ!!!」




「……………」




「………もうっ!!!
何で無視ばっかりするのよ!?」




おれはふと我に帰り、
莢を見た。

莢は膨れっ面でおれを睨んでいた





「………ん?
何か言ったのか?」




「うぅ………
全然聞いてない………」





おれがそう言うと
肩を落とし、再び膨れっ面で
ずかずかと前を歩きだした。


おれはゆっくりとそのあとを歩き

さっき考えていたことを
思い出していた。












――今、おれ………



あいつのこと考えてた………?




何で………?





最近のおれ………





変だ………