「なんか忘れてないか?お三方?」

ヴィンセントがそう言うと、男二人、女一人のグループがヴィンセントを睨みつける。

「んだと?」

一番大きい男がヴィンセントに歩み寄る。

「そんなに大きな体しててよ~、店で飯食わしてもらったら何払うかも知らねぇのか?」

後ろにいた二人もイラッとしてヴィンセントに近づく。

するとマスターがヴィンセントに頭を下げた。

「お願いです、旅の方この店でブラインドファミリー絡みの問題を起こさないでください」

ヴィンセントはさっきファルスから聞いた名を耳にした。

「今回は許してやるよ若いの…今度から気をつけな」

三人は勝ち誇った顔で店を出ようとした…………

だが………

「マスター……悪いな見過ごせねぇ~」

その台詞で三人はまたヴィンセントに振り向いた。