ヴィンセントと大臣は二人とも黙ってオリオの所に向かっていた……

部屋の前にたどり着くと大臣は……

「無礼の無いようにしろ!」
と怒鳴った。

シルウィルドは、ふぅ~とため息をついて二回首を縦に振った。

それを見ると姫が待つ部屋への扉を開いた。

「姫様、例の旅人を連れて参りました。」

オレットは部屋の奥から現れた。

「おぉ、ご苦労様です。下がってください。」

大臣は一礼するとシルウィルドを中に入れて扉を閉めた。

現れたオレットは荒野で出会った時とは似ても似つかないぐらいに美しくなっていた。

「で?いつまでボディーガードになってくれるのかしら?」

「知るか~んなぁもんっ!!それよりもなぁ~、お前を狙ってる奴について何かしらねぇのか?」

シルウィルドはふわふわのソファーに腰掛けてテーブルの林檎一つにかぶりついた。