「気安く触るな」


私は目を丸くした。そして公園中見渡した…。

誰もいない公園、人気のない道。

猫を見つめながら右や左から猫をグルリと観察した。そう、声の出所を探したんだ…。私には、どーにも猫が喋ったような気がしたから…。でも、まさかね…。


「気安く見るな」


私は、思わず泥だらけの地面に尻餅をついた。


「ケツ、汚れるぞ」


「えぇ……あのっ…えぇ!?」


声が震えてまともに話せない。猫は冷たい目で私をギロッと睨むばかりだった。