城を出ようとすると城の入口でダイラーさんが腕組みをして壁にもたれながら立っていた。


「エド!どうだった?」


「いやぁ、笑えた笑えた!マナはすごい子だよ、あの王妃を負かしてみせてくれたよ(笑)傑作だった!兄さんにも見せたかった!」


「えっ…ダイラーさんとエドは兄弟なの?」

私の質問にダイラーさんはエドの肩を組んで笑いながら言った。

「あぁ!エドの方が少し男前に生まれたから執事になって、俺は兵隊さんさ!」


「兄さん、何言ってんだよ!兄さんは最高指揮官じゃないか!僕よりずっと立派な役職のくせに。」


「で……、エドの言ってた傑作って……どういう意味?」


「いやぁ、ここはさ、矛盾の世界。あの王妃は矛盾した事しか言わないんだ。だから……何だろうね?マナの力量を計ったんだよ!」


えっ……全然意味がわかんないし。


「お嬢さん、さぁ、町を出ましょうか。」


ダイラーさんは私の肩を組んだ。足元には大朔もいつの間にかいた。そして町を歩くと始めに通った扉があった。