タイムカードを押して、更衣室で髪の毛をまとめて、着替えをする。
といっても、店の名前がでかでかとプリントされたエプロンを着用するだけ。
朝礼がある為、事務室に行き、もうすでに集まっている社員やパートの人達に適当に挨拶をする。

いつも感じる視線。
やっぱり今日もだ。
私の顔を見るなり、あからさまに嫌な顔をしている。
そして、無言で朝礼が終わるまで私をチラチラ見る。
もうそんなのにも慣れてしまったし、関わりたくもないからあえて何も言わない。

彼女はどうやら、翔のことを狙っているらしい。
聞き苦しい猫撫で声で翔に話しかけているのを良く目にする。
名前は忘れたが、最近よくテレビに出ている巨乳アイドルに似ていて、スタイルもまあまあだと思う。
きっとモテるだろう。
それを自分で分っているのか、女というありとあらゆる武器を使ってなんとか翔を落としたいらしい。

それには、私の存在が邪魔のようだ。