「………ねぇ、帰ってくれない?」

情事の後、隣で横たわっている男を軽く睨み、そう口を開いたのは他の誰でもない黒田実々、23歳、私である。

「はぁ!?マジで言ってんの?」

「うん、もうアンタとヤるの飽きたんだよね。だから消えて?」

下着一枚だけ身に着けて台所に向かいながら、背中越しにいる男に言った。

突然のことで驚いているのか、ただ唖然としている。