テーブルに置かれていた貴弘の腕が一気に横に振り払われた。
腕の横に置かれていたグラスがテレビ台にぶつかり、大きな音をたてて割れた。
その音に一瞬ビクッとなったが、すぐに下を向いたままの貴弘を睨み付けた。
「………物にあたるなんて、最悪。」
ソファーから立ち上がり、雑巾と掃除機を持って来てそれを片付けながら言った。
「もう帰って。」
「………俺は……まだ何もお前に話してない…。」
聞取りにくかったが確かに彼はそう言った。とても力のない声で。
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