不思議だった。
あんなに沈んでた気持ちが、一緒にいると自然と消えたから。
普通に笑えたから。
それから諒二は事あるごとに私と時間を共有した。
駅から学校への道のり、お昼休み、放課後、そして休みの日も。
少し窮屈だったけど、自分の気持ちが軽くなれる。
父とは話し合って、私が高校を卒業するまで今の状態を保つという条件を承諾してもらった。
秋風が吹く頃には、私はアイツを“諒二”と、アイツは私を“実々”と呼び合うようになって。
あの時、諒二が言った通りに、私は自然と諒二に惹かれていった。
諒二は私を仲の良い男友達の“瑶太”と、諒二の幼馴染みの“美都子”に紹介した。
瑶太と美都子は付き合っていて、学校では美男美女カップルで有名だった。
美都子は美人のくせに、気取ったところがなく、明るくて、人懐っこかった。
瑶太もその外見を鼻にかけることなく、諒二とバカやってるような奴だった。
私はそんな二人にすぐに打ち解けることができた。
特に美都子は、親友と呼べるほどまでに親密になった。