「アンタには関係ない。」
するとスッと立ち上がって私の目の前に立った。
両腕を私の肩に置いて、今日私が見た中で一番であろう笑顔でこう言った。
「よし!決めた!黒田実々、今日からお前は俺の彼女だ!今は俺の片思いでも、いずれお前は俺を好きになる。」
「すごい自信。アンタみたいな人初めて会った。」
見た目だって普通で、決してモテるなんて言えないような奴なのに、自信満々に言うからなんだか笑えた。
「何笑ってんだよ!俺、マジだかんな!!」
強引で、口が悪くて、何を考えてるかさっぱりわかんない奴。
でも、真っ直ぐな瞳。
その瞳に見つめられて不思議と心地がいいなんて思ってしまったんだ。
「…私が本当にアンタを好きになるかどうか……試してみてもいいよ。」
これが私とアイツ、いや、諒二との始まりだった。