味方が欲しいとか、守って欲しいとかそんなんじゃないの。
ただ、ただ、この涙をすくって欲しいだけ。
“大丈夫だよ”って誰かに言って欲しいだけ。
ただそれだけなのに…。
神様、どうして私は…
何のために生まれたの?
滲んだ視界は、街灯がキラキラと光っている。
それが突然、黒い影に遮断された。
「お前、泣いてんの?」
少し鼻にかかった低い声。
どこかで聞いたことあるようで、でも誰なのかわからなかった。
急いで涙を拭った。
そこには、私を覗き込んで心配そうな顔をした坂下諒二がいた。
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